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法然上人と知恩院

伊藤唯眞猊下のお言葉

2016年6月

『お念仏を相続して、共に生きる』総本山知恩院門跡 伊藤唯眞

私たちは自分一人で生きているのではありません。ほかの人の尊い支えによって生きています。しかし自分もまた他人の支えになっていることがあります。ともに奉仕をしあっている姿があります。支えるということが自然と支えられているということを気付かせてくれます。他の人から恩を受けずには生きていくことはできません。こういう支えあいの精神が浄土宗では「共生(ともいき)」という言葉で言われています。自分だけではなく共に生きていく世界を願っているのです。

この浄土宗の願いは、まさにお念仏の精神から生まれているのであります。お念仏の精神によって報恩と感謝の気持ちが自然と出てくるわけです。お念仏を称える中で自然と養われてくる。そういう世界がお念仏の中で展開してくるわけです。

日常の生活の中でお念仏をお称えするということが大切なことです。私たちの生活の根幹にお念仏の心をおくということが大事であります。お念仏の心とは、「自利」すなわち自ら利益を得ていくということ、「利他」すなわち他人をも利益していく、この2つの精神につながっていくものです。お念仏を称えていくうちに自然に「自利利他」の精神が醸成されていくのです。自分の心もお念仏によって豊かになるのです。

私たちはまず自分自身がお念仏の信仰を持ち、そして自分と親しい間柄の人や他人ともお念仏で結ばれて、家庭内はもちろんのこと、お寺の中では檀信徒の仲がお念仏によってより一層深く結ばれれば大変ありがたいことであります。「自利利他」の気持ちを忘れず、これからもお念仏の生活を豊かにしていただきたいと思います。

われ、他人(ひと)に援けられ、他人、われを支えてくれる。世の中はまさに「共生」です。人と人との関係だけでなく、人と山川、草木など自然とも「共生」だということを忘れないでください。



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