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おてつぎ運動

特集記事

2016年7・8月

『五位堂安養日曜学校・サラナ親子教室 第四十回正力松太郎賞を受賞』

寳樹寺住職の中村勝胤さん(左)と
サラナ親子教室主幹の関正見さん(右)

5月31日、仏教精神によって青少年育成に尽力している個人・団体を表彰する「第四十回正力松太郎賞」の表彰式が行われ、浄土宗からは五位堂安養日曜学校(奈良教区寳樹寺)が本賞を受賞、また、おてつぎ運動が推進してきたサラナ親子教室が児童教化功労賞を受賞した。両活動のこれまでの軌跡を振り返る。

サラナ親子教室から広がる情操教育

サラナ親子教室日曜日クラスには、
小学校3年生までの教室卒業生も参加できる。
最新の日程や申込方法はこちらから

「サラナ」とは古代インドのパーリ語で「やすらぎ」を意味する言葉。平成9年5月に神戸市内で幼児惨殺事件があったことを受け、知恩院では「宗教情操の潤いで子どもたちの心の内を充たしたい」と願って、翌10年10月にサラナ親子教室の前身となるサラナ幼児教室を開校した。当時の「華頂」誌面を開いてみると、「教室を母性愛豊かなお母さんでいっぱいにしたい」「2歳までの子どもたちは、言葉のコミュニケーションがとれない。子どもたちの気持ちをお母さんが感じとっていくお手伝いをしたい」などというインストラクターの力強い抱負が綴られていた。

このようなサラナ親子教室の理念のもとで活動を続けてきたことが実り、いまでは全国各地のお寺に分校ができた。最近は特に開校を希望されるお寺が多く、昨年は新たに2校が増え、今年もすでに2校増えて合計18校となった(全国の教室一覧はこちら)。仏さまの前で親子がぬくもりのある時間を過ごすことの大切さが浸透してきている。インストラクターの養成講座が整備され、これを受講すれば開校できるというわかりやすさも後押ししているのだろう。

知恩院教室では毎週木曜日と金曜日に実施しているほか、昨年4月からは毎月1回のペースで日曜日クラスをスタートさせた。この日曜日クラスが平日に仕事を抱えるサラリーマンにも参加しやすいと好評で、毎回30名の定員に達している。2歳の子どもの父親である永田泰正さん(48)は、「平日は仕事から帰ってきたら子どもはもう寝ています。月に1回の日曜日クラスの時間には、子どもとしっかりと向き合っていたい。他の子どもたちの様子を知れるのもいいですね」と、参加する意義を語ってくれた。

平成25年から知恩院教室の主幹をつとめる関正見さん(49)は、「長年、インストラクターとして支えてきてくださった先生方のおかげで、表彰を受けることができました」と喜ぶとともに、「全国のお寺さんがもっと門を開いてこの活動に協力していただけたら、きっと地域から歓迎され、お寺は活気づいていくでしょう。皆さんぜひ一緒にやりましょう!」と意気込んだ。

3代の住職が守り継いだ「日曜学校」の灯

寳樹寺の本堂で住職と一緒に日常勤行を唱える子どもたち

奈良県香芝市の寳樹寺(中村勝胤住職)が主宰する「五位堂安養日曜学校」は、3代の住職によって守り継がれてきた伝統ある「日曜学校」である。戦後間もなく先々代住職がベビーブームで増えた子どもたちの健やかな成長を願い、先代住職と共に開設した。途中数年の中断はあったものの半世紀以上も地域の子どもたちと共に歩み、平成13年には奨励賞を受賞した。

「子どものころ、楽しかったから」と、中断していた日曜学校を復活させたのは中村現住職で、まだ高校生だったという。原則的には毎月1回、開校日は土曜日の午前中と変わったが、内容的には、従来通りおつとめとゲームを中心とした活動を行っている。

参加する子どもは月によってばらつきがあるが、20人から40人程度。おつとめは、子どもたち全員に浄土宗の日常勤行式(ごんぎょうしき)の経本を持たせ、きっちり30分間行っている。その間、正座させ、姿勢から経本の持ち方、お経の唱え方まで結構厳しく指導する。「寺へ来たらお経を読む、お念仏を称えるというのが基本であることを教えており、その後の楽しい遊びの時間とは区別しています」と、中村住職。「つるポン」の愛称でも親しまれている。

寳樹寺では、他にも毎週水曜日に地域から引き継いだ「子ども文庫」の開設や毎年2月の「子ども寒行」の実施と幅広い活動を行っている。中村住職は「色々な社会活動をされているところが多い中、うちの日曜学校が選ばれて光栄です」と、喜びを語った。



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