ただ今、宮殿が開かれ、新しい御影堂に元祖様がお遷りいただきました。
御影堂も開きました。建物であったこの御影堂に元祖様の命脈が行き届いたのであります。
生きた本堂となりました。こんな喜びがありましょうか。
私たちは皆がこの喜びを持って、念仏のいのちを広く外に向かって伝えていくならば、
元祖様が願われた万民の幸せを少しでも皆が感じ取れるようになるかと思います。
これこそが遷座、そして御影堂落慶の大いなる意義であるかと考えます。
私どもは念仏を申して生きられた祖師の教えを受けて生かさせていただいております。
今、私たちの周りは平生さを欠いてまいりました。
つまり、新型コロナウイルスの疫疾によりまして、世界が大きく波打っております。
人々が、今、苦難に見舞われております。
平生だった人々の生活が異常になり、異常になった時に私たちが気付いたのは、
いかに平生が有難かったかということであります。
新たに造られたこの御影堂から新しい息吹が生じ、それに触発された私どもが、
その念仏の心で自らを覆い尽くすようになってくれたら、
また平生を取り戻すことができるだろうと考えております。
異常の中で平生を早く取り戻そうということに深く思いを致し、
自らを戒め粛然と己を守って、周りに影響がないようにしていきたいものです。
こうした心を念仏のうちに持って、平生を取り戻していこうとするその祈念が、
祖師の恩徳に報い、また私たちをも生かすことになるのではないかと思います。
令和2年4月13日
令和2年10月25日、国宝御影堂落慶奉告法要は、伊藤唯眞御門跡猊下お導師のもと宗内の関係者が見守る中厳かに執り行われました。
井桁雄弘執事長は「全国のご寺院、檀信徒の皆さまのご支援のおかげで御影堂の落慶を迎える事ができました」と感謝の言葉で法要を締めくくられました。
詳細はおてつぎ運動係までお問合せください。
知恩院 布教部 おてつぎ運動係TEL.075-541-5142 / FAX.075-541-0224