法然上人のお言葉

御法語

現代語訳を見る

現代語訳

孝養きょうようの心こころをもて父母ちちははを重おもくし思おもわん人ひとは、まず阿弥陀あみだ仏ほとけに預あずけ参まいらすべし。我わが身みの、人ひととなりて往生おうじょうを願ねがい、念仏ねんぶつする事ことは、偏ひとえに我わが父母ちちははの養やしない立たてたればこそあれ。我わが念仏ねんぶつし候そうろう功徳くどくをあわれみて、我わが父母ちちははを極楽ごくらくへ迎むかえさせおわしまして、罪つみをも滅めっしましませと思おもわば、必かならず必かならず迎むかえ取とらせおわしまさんずるなり。

孝行の心をもって、父母を大切に思う人は、まず阿弥陀仏にお任せするのがよいでしょう。「自分が一人前になって、往生を願い、念仏することは、ひとえに父母が私を養育してくれたからこそなのです。私が念仏する功徳を心からお喜びになって、父母を極楽へとお迎え下さり、その罪を滅して下さい」と願うならば、必ず必ずご両親を迎え取って下さるでしょう。