法然上人のお言葉

用語集

薄地底下の衆生(はくじていげのしゅじょう)
修行の段階が極めて低い人々。
八難(はちなん)
三途を含めた、仏教に触れて受け入れることが難しい八つの境界。
万機普益(ばんきふやく)
「浄土宗の教えと念仏の行とがあらゆる人々にあまねく利益を及ぼすこと」の意。

非業(ひごう)
前世の自分の行為を原因とせずに起こることがら。
必得往生(ひっとくおうじょう)

善導『往生礼讃』(『浄全』四・三七六頁上)。前篇第五章参照。

百万遍(ひゃくまんべん)
「百万回の念仏」の意。
廟(びょう)
死者の魂が宿る堂。御霊屋みたまや。ほこら。墓所。
平等の慈悲(びょうどうのじひ)
すべての衆生を分け隔てなく救おうとする、広大無辺な慈しみ(与楽)と憐れみ(抜苦)の心。
貧道(ひんどう)
僧侶が自分を謙遜していう言葉。

不喜足大欲(ふきそくだいよく)
すでに得たもので満足せず、いまだ得ていないものを強く求めること。喜足小欲の逆。
不取正覚(ふしゅしょうがく)
四十八願の各願文に付されている言葉。後篇第十三章参照。
付属(ふぞく)

教えを与え(付)、託する(属)こと。前篇第七章釈迦の付属」参照。

不断念仏(ふだんねんぶつ)
昼夜を問わず続ける念仏。常念仏。
仏神擁護(ぶっしんおうご)
「仏や神が念仏者を守護されること」の意。

別願(べつがん)
諸仏に共通するそう願(つう願=四弘誓願しぐぜいがん)に対し、それぞれの仏が個別に誓う独自の願。
別時念仏(べつじねんぶつ)
「特別の時間を設けて行う念仏」の意。

法王(ほうおう)
教えの王。仏の異名。
法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)
阿弥陀仏が覚りを開く以前、本願を立てられた時の名前。
法爾(ほうに)
本来的に定まっていること。自然じねん法性ほっしょう法然ほうねん
法蓮房(ほうれんぼう)

法蓮房信空(一一四六-一二二八)。法然上人の最初の弟子。黒谷金戒光明寺第二世。

菩薩(ぼさつ)
「仏の覚りを求める衆生」を意味する梵語「ボーディサットヴァ(bodhisattva)」の音写。
菩提(ぼだい)

覚りを意味する梵語「ボーディ(bodhi)」の音写。

法身(ほっしん)
時間空間を超えた真理としての仏の身体。
発心(ほっしん)
菩提心(覚りを求める心)を起こすこと。
本願(ほんがん)

阿弥陀仏が覚りを開く前、法蔵菩薩であった時に誓われた四十八の願。とりわけ第十八、「念仏往生の願」を指す場合が多い。前篇第五章参照。

本願の名号(ほんがんのみょうごう)
阿弥陀仏が、極楽往生のための修行として選び取られた称名念仏。
本誓(ほんぜい)
阿弥陀仏が法蔵菩薩であった時に立てた誓い。第十八「念仏往生の願」。
梵天(ぼんてん)
地上一千万由旬の高さにある天。由旬は一説に七キロメートル。
煩悩(ぼんのう)
衆生の身心を煩わせ、悩ませ、汚す精神作用。(とん)(貪り)・(しん)(憎しみ)・()(愚かさ)など。
凡夫(ぼんぶ)

無漏の智慧をいまだ起こしたことのない大多数の人間。聖者(しょうじゃ)の逆。