文化財観光資源保護事業
京都市文化観光資源保護財団では、京都市内の文化財である建造物、美術工芸品の修理及び庭園、史跡、天然記念物の保全、伝統行事、芸能保存執行、文化財をとりまく自然環境の保全、文化財防災施設等の整備に対する助成と、事業や京都の文化財や文化観光資源に関する調査研究事業を行っています。
また、助成の対象となる文化財は、学識経験者からなる文化財専門委員会において審議、選定することになっています。
なお、この事業に必要な資金は全国から寄せられる寄付金で、まかなわれています。
武家門周辺土塀修理事業
武家門は、京都所司代・東西町奉行・武家衆が、徳川家康・秀忠を祀る権現堂や、歴代将軍の位牌を祀る大方丈へ参拝する際に使用された出入り口です。寛永12年(1635)、集会堂建立と同時期に建築されたと考えられます。築地塀に引かれた5本の水平線は、門跡寺院の証として筋塀の中で最高の格式を表すものです。
表面の剥落が見られたため修理を開始しましたが、瓦を支える木部の修理も必要と判明し、工期を延長しました。令和6年3月に瓦の葺き替え等を含むすべての修理が完了しました。
令和4年12月~令和5年3月
大方丈襖絵の修理
現在の知恩院の伽藍は、徳川将軍家の寄進によるもので、慶長8年~15年(1603~1610)にかけて寺領を拡張し、御影堂・集会堂・大小方丈などの主要堂舎が建てられました。
寛永10年(1633)に火災に遭い、これらの堂舎は焼失しましたが、大方丈は寛永18年(1641)に焼失前の姿に再建されました。建築的には17世紀初頭の形式を伝えるもので、徳川将軍家の菩提所として、その参拝に備えて通常の寺院方丈とは異なる書院造り(床・違い棚・帳台構え・付書院)で対面所としての性格を持つ建物です。
今回破損した下段の間襖絵は、狩野信政(1607-58)の作として知られています。
- 大方丈下段襖絵保存修理事業
平成28年7月~9月
- 大方丈(梅・柳・鷺の間)舞良戸白貼り 16枚 本紙の貼り替え
平成29年7月~8月