国の登録有形文化財とは
50年を経過した歴史的建造物のうち、 一定の評価を得たものを文化財として登録し、緩やかな規制を通じて保存・活用を促すために平成8年度より施行された制度です。
令和3年7月16日、阿弥陀堂・阿弥陀堂渡り廊下・納骨堂の登録について国の文化審議会を経て文部科学大臣に答申され、令和3年10月14日の官報告示により正式に公表されましたのでお知らせいたします。
阿弥陀堂
最初の阿弥陀堂は知恩院第二世勢観房源智上人によって勢至堂の前に建立されました。宝永7年(1710)に御影堂の西側に移築されましたが、荒廃が進み明治11年(1878)に取り壊されました。現在の阿弥陀堂は明治43年(1910)に再建されたものです。
構造は、入母屋造本瓦葺で裳階に向拝三間がつきます。堂正面に掲げられた「大谷寺」の勅額は後奈良天皇の宸筆で、知恩院の寺号をあらわしています。ご本尊は、高さ2.7メートルの阿弥陀如来坐像です。現在は得度式や各種道場、結婚式などに使われています。
- 阿弥陀堂落慶(明治43年)
- 阿弥陀如来坐像
阿弥陀堂渡り廊下
御影堂と阿弥陀堂を繋ぐ渡り廊下で、阿弥陀堂と共に明治43年に造られました。本瓦葺きの屋根は照り起(むく)りで、両端は唐破風(からはふ)になっています。
納骨堂
昭和5年(1930)、善導大師遠忌事業として建立されました。堂内には螺鈿細工の須弥壇の上に阿弥陀三尊像・二十五菩薩が安置され、地下にご遺骨が奉安されます。構造は方一間の裳階付で、屋根は宝形造の本瓦葺きです。