お念仏でいさみのある暮らしを

総本山知恩院門跡 伊藤唯眞

阿弥陀仏の慈光のもと、爽やかな新春をお迎えになられましたことをお慶び申し上げます。
今年もお念仏に根ざした潤いのある生活がつづく一年でありますよう心から念じております。

国宝御影堂の大修復が完了し、御遷座式が四月に奉修されるという記念すべき年となりました。これも皆さまのお蔭と感謝するとともに、元祖さまの慈恩にこたえねばならぬと決心しております。

元祖法然上人は、南無阿弥陀仏とお称えするお念仏こそ、今この世にある私たち凡夫にふさわしい教えであるとお説きくださいました。上人のみ心にしたがうのであれば、肝心なのは、日ごろのお念仏です。

朝に昼に夕に、立ち居振る舞いの中にも、食事をいただいている間にも、お念仏をお称えできるようになれば、お念仏と生活とが織りこまれてきます。自然と安らかな心が育まれ、張りのある暮らしとなりましょう。

そうなれば、いつしかお念仏にも「いさみ」が加わります。平生のお念仏がいつしか宝となってきます。信心も深まり、極楽往生を願う心も強くなってきます。よろこび勇んでお念仏を称える人には「無量の宝」が得られるようになります。お念仏は心の糧であり、悲しみ苦しさへの備えであります。

お念仏の教えを与えてくださった元祖法然上人への報恩の至誠は変ることなく、お念仏もゆるむことなく、法悦のうちに知恩院御影堂修復とご遷座の勝縁を寿ぎたいものであります。