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法要・行事おまいり

法事讃(ほうじさん)

開催日
2024年6月13日(木) ・ 14日(金)
時間
6月13日13時30分~/6月14日9時30分~
場所
御影堂

「願わくは往生せん、願わくは往生せん。」

 

法事讃は法然上人が師と仰がれた善導大師がご撰述された「極楽往生を願う」おつとめです。

浄土宗の日常のおつとめでは、維那(いな)の句頭のもと、大衆(だいしゅう)が後を続いてお経をおとなえする場合が多いのですが、この法事讃のおつとめは、左右に分かれた召請人(しょうしょうにん)・讃衆(さんしゅう)が代わる代わる立ち上がり、召請人が下音・中音・上音の順で句頭(くとう)を行い、一句一句に讃衆が「願往生(がんおうじょう)」「無量楽(むりょうらく)」と答えるかたちでおとなえされます。

大変音楽性が高く、左右に召請人・讃衆が分かれ、交互におとなえする躍動感ある作法は、法事讃の見どころと言えるでしょう。

善導大師

 善導大師は「阿弥陀仏の御名を称える人は、誰も彼もが等しくお浄土にお迎え下さる」と阿弥陀仏のお慈悲を広くすべての人にお示し下さった方で、こんなエピソードがあります。

 

善導大師のみ教えに長安の都では肉食をする人がへり、それに腹を立てたのが肉屋の店主でした。ある時、店主は肉が売れないのは、すべて善導大師のせいだと、怒りに身を任せ、刀を持って善導大師に迫ります。しかし善導大師は臆することなく静かに念仏され、おもむろに西を指差されます。すると、たちまちそこに素晴らしい阿弥陀仏の国、西方極楽浄土が現れ、それに店主は驚き我にかえり自分の行いを恥じて、善導大師に陳謝し、やがて熱心な念仏者と生まれ変わったと言う事です。

 

また、善導大師が著した『観無量寿経疏』という書物の中で「一心にもっぱら阿弥陀仏の名をとなえ、いついかなることをしていても、時間の長短に関わらず、常にとなえ続けてやめないことを正定の業という。それは、阿弥陀仏の本願の意趣に適っているからである」との一文に法然上人は出会われ浄土宗を開宗されました。

 

その時、法然上人の夢に善導大師が現れ、次のように言われました。「あなたはお念仏の教えを広めようとしている。それが尊いのであなたの前に現れたのだ」。
夢中でのこの出会いは「二祖対面」と呼ばれ、このとき善導大師の下半身が金色であったとの伝承から、浄土宗の寺院やお仏壇にお祀りする善導大師の像は、半身が金色になっています。