華頂特集記事Kacho

2018年1月

元気いっぱい!こどもまつり

知恩院の境内に建つ平安養育院。様々な理由により、保護者がいない子どもや、保護者の適切な愛情を受けられない子どもたちを養護する、児童養護施設の1つである。1905年に日露戦争孤児・被災母子救護のため創設されたのが始まりで、1918年に運営委譲により知恩院直営の財団法人となる。その後、1952年には社会福祉法人となり現在に至る。平安養育院では、2~18歳の子ども60名を養育し、自立のための援助や、退所に向けた支援を行っている。また、毎朝阿弥陀様に手を合わせ、花まつりやお彼岸にはお勤めをするなど、日々の生活の中に浄土宗の精神が息づいている。

年に一度のお祭り

ウェルカムゲートで参加者をお迎え

ウェルカムゲートで参加者をお迎え

そんな平安養育院では去年の11月19日(日)に「こどもまつり」が開催された。「こどもまつり」は平安養育院で行う唯一の祭りであり、子どもたちは外部のお祭りに行く機会も少ないため、この日を楽しみにしながら準備を手伝い、ステージ発表の練習も重ねてきた。理事・統括施設長を勤める水野正美さん(61)は「普段から支援をいただいている地域の皆さんに恩返しができればと、毎年この時期に開いています。子どもたちにも、この機会に地域の交流を深め、存分に楽しんでほしい」と語る。退所した子どもたちが祭りを訪れ、成長した姿を見せてくれるのも楽しみの一つだという。

トライ! とにかくやってみよう

ゴールめがけてボールをシュート

ゴールめがけてボールをシュート

パイナポーマンと一緒にダンス

パイナポーマンと一緒にダンス

寒さを吹き飛ばす太鼓演奏

寒さを吹き飛ばす太鼓演奏

「こどもまつり」ではバザーコーナー、縁日コーナー、展示コーナー、模擬店コーナーが用意されており、正面には大きなステージも設置されている。子どもと職員のバンド演奏で祭りの幕が上がると、真っ先に子どもたちが向かうのは縁日コーナー。ここではゲームに挑戦すると、達成度に応じてチケットが手に入り、交換所で好きな景品と交換できる。中でも盛り上がっていたのが、3×3に並べられたゴールめがけてボールを投げ、ビンゴを狙う「TRY TRY nine hoops!!」だ。限られたボールでより多くのビンゴを目指すこのゲーム、ゴールが高い位置に設置されているため、奥のゴールは距離感を掴むのが難しい。狙いを定め、ボールがゴールに吸い込まれるたびに、周りからは歓声が上がっていた。

各コーナーに加え、ステージの演目もたくさん用意されており、それだけでも一日中楽しむことができる。参加型ステージ企画「ギネスにトライ」では、大きなコップに注がれた500mlの水を飲み切るまでの時間を競う。参加を希望した子どもたちは「喉が渇いているからすぐに飲めます!」「おもいっきりいきます!」と自信たっぷり。始まりの合図とともに一気に飲み干し、空になったコップを掲げた。1位のタイムは8.2秒と、事前にスタッフが挑戦した記録を超える結果となった。この他にも大食い・早食い決定戦などが行われ、会場を熱くした。

ステージ発表では劇やダンス、演奏が披露された。練習してきた成果を発揮し、子どもたちが踊ると、観客席の皆は自然と顔がほころぶ。元気いっぱいの姿は終始皆の視線を釘付けにしていた。後半では和太鼓が並べられ、お揃いの法被を着た子どもたちが登場。「寒いから着替えたくないー」と話していた子も、ステージに登ると背筋が伸び、掛け声とともに太鼓の音がグラウンドに響く。寒さを吹き飛ばすような太鼓の演奏に続き、篠笛のメロディに合わせた演奏もあり、ステージ全体が盛り上がった。

お祭りを終えて

今年の実行委員長を務めた指導員の飛永吉哉さん(28)は、「子どもたちそれぞれに楽しんでいる姿を見られて、頑張った甲斐があった。次回のこどもまつりも楽しいものにしたい」と笑顔で語った。

親とかわりない愛情と厳しさで、子どもたちに接する職員の方々。そしていつも優しく見守ってくださる阿弥陀様。日々の生活の中で慈悲の心を感じとりながら、子どもたちが成長していくことを願う。

(取材・文 關 真章)