用語集
か
- 戒(かい)
- 悪い行いを慎み、善い行いを習慣づける修行。仏道の入門。
- 鶴林(かくりん)
沙羅樹の林。釈尊涅槃の際、憂えて白い鶴のように変じたという。
- 観経の疏(かんぎょうのしょ)
- 『観無量寿経』の善導大師による注釈書『観無量寿経疏(観経疏)』。「玄義分」「序分義」「定善義」「散善義」の四巻からなる。
- 勧進行者(かんじんぎょうじゃ)
- 「行者を勧誘すること」の意。
- 観念(かんねん)
- 心に姿を想い画くこと。
- 観音(かんのん)
- 「助けを求める衆生の声を常に観察している者」の意。極楽では阿弥陀仏に仕え、慈悲にすぐれた菩薩。観世音。観自在菩薩。
- 観法(かんぼう)
- 心に真理、あるいは仏・菩薩・仏国土等を観じる修行法。
き
- 機(き)
仏の教法を受け入れて実践する能力。またその能力を持つ衆生。
- 機縁(きえん)
- 起行(きぎょう)
修行のしかた。通常は五種正行をいう。後篇第七章参照。
- 機教相応(ききょうそうおう)
- 「末法の時代の機根(人々の能力)には浄土の教えのみが相応しい」の意。
- 機根比べ(きこんくらべ)
- 教えが衆生の能力・素質に適うかどうかの比較、争い。
- きずな(きずな)
- 犬や馬をつなぎ留める綱、転じて情愛などの断ち切り難いつながり。束縛。
- 喜足小欲(きそくしょうよく)
- すでに得たもので満足し、いまだ得ていないものを強く求めないこと。
- 行者存念(ぎょうじゃぞんねん)
- 「念仏者の心がけ」の意。
- 行住坐臥(ぎょうじゅうざが)
- 行く、とどまる、座る、横になるといった日常の動作。
- 経蔵(きょうぞう)
- 一切経(仏典の組織的な集大成)が収められている蔵。
- 孝養父母(きょうようぶも)
- 「父母にたいする孝行」の意。
- 金谷(きんこく)
中国河南省洛陽市の北西にあった晋代(二六五-四一九)の石崇(二四九-三〇〇)の別荘。
- 欽明天皇(きんめいてんのう)
西暦五三九年から五七一年まで在位した第二十九代天皇。通説では仏教初伝は西暦五三八年。
く
- 功徳(くどく)
- 修行や善行を積むことにより身につく徳。
- 九品の台(くほんのうてな)
- 極楽の蓮の台に往生する者の能力に応じた九つの階位。
け
- 下根下智(げこんげち)
- 能力と智慧の劣った人。
- 解脱(げだつ)
煩悩から解き放たれ、迷いの境涯を脱すること。
- 顕教(けんぎょう)
- 密教に対して、仏が言葉で説き示した教え。
- 源空(げんくう)
法然上人の諱で、自称として使われている。
- 現生(げんしょう)
- この生涯。現世。
- 眷属(けんぞく)
- つき従う者。取り巻く者。
- 還来度生(げんらいどしょう)
- 「極楽に往生してから進んでこの世界に還り来たって人々を覚りの向こう岸へ渡すこと」の意。「法然上人は、熊谷入道直実や津戸三郎為守などの無学の者には念仏だけを勧め、他の人々にはそうではない」という噂があったのを気にかけた津戸が上人に問い質したのに答えられた手紙の一節。
こ
- 劫(こう)
非常に長い時間の単位を意味する梵語「カルパ(kalpa)」の音写「劫波」の略。一説には、四千里四方の石を百年ごとに天女が衣で一撫でし、その石が磨滅するほどの時間。なお、「曠劫」は「曠大劫」の略。
- 業因(ごういん)
苦楽等の報いを得る原因となる、善悪の行いや修行。
- 康慶(こうけい)
- 運慶の父。生没年不詳。彼の一門を慶派という。
- 光明摂取(こうみょうせっしゅ)
- 「阿弥陀仏の光明は念仏者を選んで救い取る」の意。
- 業力(ごうりき)
- 善と悪との行為が、当人の上に楽と苦との結果を招く力。
- 五逆(ごぎゃく)
①母を殺す②父を殺す③迷いの境涯を脱した仏弟子(阿羅漢)を殺す④悪意で仏の身体を傷つける⑤仏教教団の和を乱すという大罪。五無間業。死後ただちに無間(阿鼻)地獄に堕ちる原因となる。後篇第二十四章参照。
- 五劫思惟(ごこうしゆい)
- 「法蔵菩薩が本願を立てるとき、五劫を費やして重ねられた思惟」の意。
- 五障(ごしょう)
- 女性が梵天・帝釈・魔王・転輪聖王・仏になれないこと。当時の社会通念に従った表現。
- 小消息(こしょうそく)
- 護念(ごねん)
仏・菩薩や諸天が、衆生を心にかけて守護すること。後篇第二十六章参照。
- 護念増上縁(ごねんぞうじょうえん)
- 「念仏者が阿弥陀仏から蒙る、守護という力強い縁」の意。
- 御判(ごはん)
- 花押。名前の下に書く、様式化された署名。
- 御房(ごぼう)
- 僧の敬称。